ワイヤードでは,リアルワールドよりも明確に,人と人が繋がって社会が形成されている。その「繋がり」こそが,「ワイヤード」という赤い糸。人は皆,繋がっている。
サイバースペース・ジャパンが1995年6月から定期的に行っているWWW利用者調査アンケートの,第10回目の結果が公表された。今回の調査結果で特に目を引くのは,利用者の男女比の推移で,4年前の調査開始時には4.4%であった女性利用者の割合が,今回は39.4%と,ついに約4割を占めるまでになった。また,接続の方法ではISDN利用者が25%を突破し,利用ブラウザはインターネット・エクスプローラーが70%以上にシェアを拡大。回答者の約80%が1日5通以上のメールを受信しているほか,オンラインショッピング経験者が50%を超えた。
確かに,ネットワークをコミュニケーションツールとしてのみ考えたとき,女性の方がそれをそつなく使いこなす能力に秀でている。それは,一般論として女性の方がそのようなコミュニケーションに関する欲求を強く持っていることによる。思えば,パソコン通信の時代は,まだインターフェイスを含んだシステムが整っていなかった。成熟したコミュニケーションを成立させるには,より高度なシステムが必要となる。現在のパソコンの能力は,やっと我々のコミュニケーションを取り持つにふさわしい高みにまで上ってきた,とも云える。
さてでは,その高度なネットワークシステムとはどのようなものか。出会うことの容易さ,意志を伝えることの容易さ,表す部分と隠す部分の容易さ,そして,想いをかよわせることの容易さ。女性利用者の増加は,そのようなシステムが具現していることの証しである,とも思われる。
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